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とあるマブスファンが優勝のために考察するブログ

恋するフォーチュンクリス

 

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 サンズがプレーオフ進出決めましたね。僕がNBAを見始めたのが2012年からで、そこからどころかその2年前からサンズはプレーオフに進出していなかったので、「サンズ」と「プレーオフ」という言葉が結びつかなすぎて違和感しかないです。

 そんなサンズ大躍進の立役者になったのがクリスポールであることは生まれたてのヨチヨチ歩きする赤ちゃんの目にも明らかです。どんな状況のチームに行っても必ず勝てるチームに仕上げてくる「幸運のお守り」ことクリスポール先生は、2年前19勝しか挙げられず、ようやく勝てる希望が見えた2013-14、2019-2020シーズンではあと一歩でプレーオフ進出を逃すという、正に勝利の女神に見放されていたサンズでさえもプレーオフ進出どころか首位まで狙える位置にチームを押し上げました。もちろんディフェンスの向上など他の要因はあるかと思いますが、僕はサンズの試合を逐一追ってる訳ではないので、ここでは触れません。クリポとブッカーの関係にのみ焦点を当てていきます。

 

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強いチームを見極める先見の明がない人の例



サンズのクラッチタイムのネットレーティング(4/30時点)

2019-20:-4.3

2020-21:+5.2

 

今シーズンと昨シーズンのスタッツで大きく違いがあるのは、クラッチタイムのスタッツです。昨シーズンのサンズのクラッチタイムのネットレーティングは-4.3でリーグ21位と低い数字。ちなみに我らがマブスの昨シーズンのクラッチタイムのネットレーティングは-10.4でリーグ23位。散々な数字です。それが今シーズンになると+5.2でリーグ8位と9.5も向上しています。因みに我らがマブスの今シーズンの数字は-12.8でリーグ27位。全く成長の兆しが見られません酷いもんです。要はこれが一番言いたかったのですが、ブッカーとクリポがプレイメイカーとしての役割を補い合うことで、

クラッチタイムまで体力を温存できる

・起点が複数あることで相手に的を絞らせない

これらのメリットが生まれたことで、クラッチタイムの数字が改善したのではないかと思います。

 また、昨シーズンはPGがルビオであり、チーム全体でボールムーブを重視したオフェンスだったのが、今シーズンはハンドラー主体の2メンゲームが中心になったように感じます。このことは、よりサンズがマブスのオフェンスに似たようなスタイルになってきたともいえます。そこでマブスとサンズのクラッチのスタッツの比較がより際立ってくるのではないでしょうか。

 マブスはドンチッチがいる時間帯はほぼ一人でゲームメイクしています。もちろんブランソンの成長により、多少負担は軽減されたと言えますが、それでも終盤はドンチッチ以外が起点になることはほぼありません。ドンチッチが味方を信頼していない、ワガママすぎるという見方もできますが、それに見合う選手がいないというのも事実(ポルジンギスはフィニッシャータイプで、自ら起点になることは少ない)

 このような絶対的エースがいてその横に置く選手としてクリスポール以上の選手がいるでしょうか。これは勝手な予想ですが、どんなにチームにハンドラーの頭数がいようと結局ドンチッチが試合終盤に自分を差し置いてボールを預けれる選手は、

・自分より実力のある選手

・優勝経験があるorそれに近いプレーオフ経験を持つベテランのハンドラー

このどちらかだと思うんですよね。彼ほど自信満々なプレーヤーもなかなか少ないので、恐らくフォーニエとかテレンス・ロスとかの中堅どころの上手いハンドラーを取っても、結局最後は自分で打ちたがると思うんです(別にマジックに恨みがあるわけではありませんよ)。そういった意味でもクリスポールはマブスが次のステップに行くにあたって最適な選手だと思うんですよね。ずっと実力を認められながらもチームが勝てずに落ち込んでいたブッカーのように、同じく絶対的なエースであるドンチッチにとって、クラッチタイムで頼れる相方となるハンドラーを見つけることは最優先課題だと思います。

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あと一歩のところでブッカーに決められて6連敗を喫するマブスの図

 2021オフはマブスにとって勝負のオフです。ドンチッチのルーキー契約が最終年であることに加えて、昨シーズンに比べて大物FAが数多くいます。マブスは今オフ、ウィリコのチームオプションを破棄すれば31milほどのキャップスペースがあるため、大物FAを一人獲得することは可能ですし、もしかしたら現在マブスにいる選手の何人かとは再契約できるかもしれません。何人かピックアップしてみましょう

 

 クリスポール

これはさっきから言っている通りです。ただチーム成績も上で未来もあるサンズからわざわざマブスに移籍するメリットはゼロです。サンズが一回戦負けでもしない限りマブスには来ないでしょう。

  カワイ・レナード

アイソ能力の高さ、恐らくいなくなるであろうJ-richを補って余りあるほどのディフェンス力は、マブスにまさしく必要なもの。こちらも同じ理由で来ない気はしますが、クリッパーズに不満があるとかないとか噂が流れてたのでもしかしたら? てか連覇が狙える環境にいながらもトロントを去り、故郷でプレーできるクリッパーズからも出たいとしたら次どこ行くねんって感じですけどね。

 マイク・コンリー

こちらもクリポと同じような立場の選手であるので、来る確率は相当低いです。ただ仮に来た場合は、クリポに比べて市場価値が若干低いので、ティムハを残せる確率が高まります。あとはドンチッチがどれくらい信用して任せられるかですかねー。

 カイル・ラウリー

個人的に一番注目の選手。ファイナルで活躍した経験もあり、ディフェンスも良いガードで更にオフボールムーブからスリーを打ったりもするので、ドンチッチと合わせても、ドンチッチの代わりを任せても信頼できる選手だと思います。問題となってくるのがラプターズのチーム事情で、トレードデッドラインでトレードして再建に入るかと思ったらトレードせず、それなのに罰金をくらうほど主力を休ませてやっぱり再建なのかと思わせる謎の動き。また、ラウリー自身の優先事項も謎で、まだ優勝候補のチームでもっと活躍したいのか、それとも一度優勝を経験したトロントの地で英雄としてキャリアを終えたいのか、端から見るだけではどちらの道を選ぶか全くわかりません。一つラウリーに言っておくと深夜にファストフード食べ過ぎて太ってしまったこともあるほどの食いしん坊なラウリーにとってダラスは最適な町だと思いますよ。ほら、テキサスバーベキューとかあるしさ(適当)

 デマー・デローザン

 こちらは前述の選手たちとは立場が少し違います。というのもデローザンはまだ優勝経験がないうえに、コンリーやクリポのように優勝候補のチームに所属しているわけでもありません。ですので今オフに優勝候補のチームに移籍する確率は前述の選手たちに比べて高いと思います。ただ、デローザンはわりと今の若手中心のスパーズの中で雰囲気よくやっている印象もあるので、チームへの忠誠心を取れば残留もあり得ます。まあラプターズでチームに裏切られた経験もあるので、忠誠心なんてものを未だに信じているかは謎ですが。

 マブスへのフィットとしては、1on1能力の高くプレイメーカーとしても優れているので、ドンチッチの横に置く選手としてはいいと思います。ただスリーをほぼ打たないデローザンがスリーを多投するマブスに戦術的にフィットするかはかなり疑問ですし、彼に合わせて戦術を再構築する必要があるかもしれません。ですので、デローザンに投資することはチームにとって大きな方向決めとなるかもしれません。割りと自分の戦術を頑固に変えないカーライルがHCのチームなので、周りの選手云々よりカーライルと上手くやれるかがかぎになってきそうです。

 ゴラン・ドラギッチ

 ストーリー的には一番あるんじゃないかと思う選手。総合的な能力では他に後れを取りますが、前述した 優勝経験があるorそれに近いプレーオフ経験を持つベテランのハンドラー という条件だけ見れば、ドラギッチもまたこの条件に当てはまる選手でしょう。また、ドンチッチとはスロベニア代表で共にプレーした経験もあり、一から信頼関係を築く必要がないという点で、ドンチッチとポルジンギスの関係が疑問視されているマブスにとっては良いベテラン枠になるかと思います。ドラギッチもまた市場価値的には高騰するような選手ではないと思うので、ティムハを残せる可能性も高いのではないでしょうか。

 

 ここまでいろいろな選手を見てきましたが、ダラス・マーベリックスというチームは伝統的に大物FAが来ないチームとしてお馴染みです。2012~2014年にかけてデロン・ウィリアムスやドワイト・ハワードを狙いながらも叶わず、2015年にディアンドレ・ジョーダンを獲得したかと思えばクリッパーズのヤクザ集団に強奪され、近年まれに見る豊作FAだった2019オフにはハリソン・バーンズを鼻くそみたいなアセットで売り払ってまでキャップスペースを空けたのにきたのがボバン、セス、デロン・ライトだったりと、FAでいい思い出がほとんどないマブスなので、期待のし過ぎは禁物です。結局マブス「あなたのことは好きなのに、私にまるで興味ない」まさに「恋するフォーチュンクッキー」なチームなんです。それでも重要なのは今年のプレーオフで「未来」を見せれるかどうかです。2016オフにホーフォードは、ホークスからプレーオフ一回戦で破ったセルティックスに移籍しました。このように負けたとしても他のチームの選手に何か光るものを見せることができれば、マブスに来てもらうチャンスは高まると思います。ですから今年のプレーオフは、その年のみでなく今後数年に渡ってマブスが優勝争いに加われるチームになるかどうかを決めるものになってくると思います。マブスファンの諸君、今年のプレーオフはより刮目してみましょう。

 

とか言っときながらプレーイン・トーナメントで2連敗して、プレーオフにすら出れない可能性もまだまだあるんですけどね(笑)