僕のツイッターのドメイン名:@mavsfanfordfs はDFSことドリアン・フィニースミスから命名したんですよね。2019年に作ったこのアカウントですがその当時在籍していた選手では一番、いや歴代マブスの選手(自分が見始めた2013-14シーズン以来)の中でも確実にトップ5には入るくらいお気に入りの選手でした。
そんなドリアンが今日、トレードされました。
シャムズからの報道が出ていた時点である程度覚悟はしていました。ドンチッチのいるマブスにとって、優勝するための補強は必須。そのためのトレードのアセットとして、ドリアンは間違いなく候補になってくる。頭では理解してたんですが、いざトレードが起こってしまうと感情が追い付いてきません。
今回は最高の男・ドリアンの思い出について振り返っていきたいと思います。
- 出会い
ドリアンが初めてスポットライトを浴びたのは2016-17シーズン。当時のマブスはなんというかこう…まあ嚙み合いが悪かったというかこう…調子が悪かったといえるというか…普通にクソ雑魚でした(オブラートがブチ破れる音)。新たにエースにハリソン・バーンズを迎え(エースにハリソン・バーンズを迎えというパワーワード)開幕から順調に連敗街道をひた走っていたマブス。そんな希望もへったくれもないマブスに突如現れたのが無名のドラフト外選手でした。シュートも下手で自分でオフェンス作るなんてもってのほかでしたが、とにかくディフェンスとハッスルで何がなんでもチームに貢献しようというその姿勢。23歳でデビューという、ルーキーにしては歳を食っていたからこそ、その姿勢が生まれ、それが彼のアイデンティティになっていったのでしょう。クソ雑魚マブスにとって唯一の希望といってもよかったんじゃないかと思います。ドラフト外ルーキーながら35試合に先発出場したのは信頼の証だったといえるでしょう。
- 成長
ドリアンの凄いところ、そして自分が最も魅力的だと思っていたところ、それは年を重ねるごとに新たな武器を身に着けていったところです。上記のようにデビュー当初はオフェンス力の欠片もない選手でした。それはスタッツが示しています。しかし彼は自分の弱みを理解し、今年はコーナーからのキャッチ&シュートを、今年はカウンタードライブを、今年はプルアップのスリーをと、少しずつ武器を増やしていっています。最初はほんとにワイドオープンは状態でしか打たなかったスリーも、リリースを早く改善することで今では少しタフな状況でも打てるようになりました。そしてドリアンの成長はマブスの成長とも重なるものがあり、昨年のCF進出時にはドリアンの成長した部分が存分に発揮されていたと思います。それでいて自分の強みであるディフェンスとハッスルの部分は忘れずにきっちり仕事をこなしてくれるところが彼の魅力的たる所以でした(聞いてるかTHJ)
- リーグ屈指のスリー&D、だけじゃない
個人的にドリアンの最も過小評価されている能力が、彼のオフェンスリバウンド(以下OR)だと思っています。スタッツを見ても総リバウンド数に対してOR数が多いのがわかるでしょう。ハンドラーの突破中心でお世辞にもきれいなオフェンスをするとは言い難いマブスに取って、ポゼッション数を増やしてくれる彼のOR力は貴重でした。時には派手なプットバックダンクをブチかまし、チームに流れをもたらしてくれました。
- ムードメーカー
一緒にいたわけではないので(当たり前)、これはあくまで表に出ている情報だけでしか語れませんが、ドリアンはムードメーカーとしてもチームを支えてくれてと思います。ちょっと強面なドリアンですが、実はよく笑うし、他の選手が活躍した後に絡んでいる様子をよく見せてくれました。マブスの選手、というかドンチッチがお気に入りが偏っていた(いつもボバンの隣にいる、ポルジンギスと深い絡みを見せない等)ので、そんな中で誰にでも陽気に絡みにいくドリアンが選手仲を取り持っていたように見ていて感じました。下の動画のシーンは特に印象的でした。
- 印象的な試合
最後にドリアンのキャリアの中で印象的な試合を振り返っていきましょう。
2016/11/6 vs MIL(ハイライトなくてすいません)
ドリアンの実質的なデビュー戦といってもいい試合であり、彼の存在が初めて世に知られた試合。スタッツだけ見ると5点3リバウンドと大したことないのですが、この試合のヤニスを止めたこと。無名のドラフト外ルーキーがその年のオールスターのスターターに対して11点、FG 4/12に抑え、TOV5を誘発したことにマブスファンは驚嘆。OTまで行って86-75と、2004年のピストンズもびっくりのロースコアゲームを制した要因は、間違いなくこの無名のルーキーの活躍でした。ドリアンはこの試合の後すぐに先発になり、彼のキャリアの転換点といっていい試合だったと思います。
2019/11/18 vs SAS
ドリアンの良さが全て出たといっていい試合。交錯した状況に飛び込んでいくハッスル、速攻の先頭を走ってダンク、スリーを決める、そして終盤のショットクロックギリギリからのミラクルショット。22点でキャリアハイ更新。この試合は劇的な勝ち方だけあって、非常に印象に残っています。同じく42点でキャリアハイを更新したドンチッチにヒーローインタビューで「Dorian finney-smith. That’s it.」と言わしめるほど、この試合のドリアンは輝いていました。この年マブスは3年ぶりにプレーオフに進出しますが、その飛躍のきっかけとなったように感じられた試合でした。
2021/5/1 vs WAS
序盤のリードを溶かすマブスらしい展開で接戦の4Q、相手の追い上げムードを断ち切るスリーと執念のドライブからのゴール下。そして残り9秒、2点差で負けている場面での値千金のコーナースリー。決勝弾決めた後のドリアンの咆哮と仲間とのアツイハイファイブ、そしてインタビュー中に水鉄砲を目ん玉に直撃させる鬼畜すぎるブランソンが忘れられません。
2022 CSF Game4 vs PHX
ドリアン史上最高のゲーム。サンズとのプレーオフセミファイナルで開幕2連敗で後がないマブスのゲーム4。この正念場でドリアンが男を見せました。スリー8本はキャリアハイ。4Qには一気に流れを持ってくる速攻からの連続スリー。そして魂のガッツポーズ。クソ雑魚チームでスリー3割も入らなかった男は、成長したスリーでチームをCF進出まで押し上げるまでの存在になりました。
- 最後に
昨年はルカと二人で優勝への最強デュオだと信じてやまなかったポルジンギスを、そして今年はマブスの魂を失いました。二年連続しんどいトレードですが、それだけの価値がある選手になったとポジティブにとらえて送り出したいと思います。誰よりも勝利に貪欲で自分の仕事を理解し、タフでマブスの縁の下を支えてくれた最高の男でした。新天地でも頑張れよ。
Thank you, Doe-Doe!