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とあるマブスファンが優勝のために考察するブログ

カーライルとの思い出

 朝起きたらカーライルはマブスのヘッドコーチではなくなっていました。プレーオフ敗退直後はまだチームにいるようなことを示唆するコメントを出していただけに、この決断にはかなりショックです。多くのマブスファンにとってマブスのコーチはずっとカーライルだったんじゃないでしょうか。僕は2013-14シーズンから見始めたので、残念ながら優勝した時の思い出を語ることはできませんが、今回は個人的なカーライルの思い出を振り返っていきます。
 

 

 

2013-15 モンテ・エリス時代

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 僕がマブスを見始めたシーズンが2013-14シーズン、ノビツキーのファイナルのハイライトきっかけで興味をもった初めて見たマブス戦で、ノビツキー以上に興味を惹かれた選手、それがモンテ・エリスでした。モンテ・エリスと言えば、カリーとの不仲でバックスにトレードされ、その後カリーとウォリアーズが王朝を築いていったことから、一般的には失敗した選手として扱われがちです。しかしマブスでの2年間ではエースとして非常に効果的な働きをしてくれました。それも彼のスタイルがカーライルのオフェンスシステムと合っていたからだったと思います。この年のもう一人の先発バックコートはホセ・カルデロンであり、彼とエリスの二人のテンポのいいバランスアタックは、カーライルの代名詞とも呼べるオフェンスでした。決して傍から見れば強力なロスターとは言えませんでしたが、それでも一回戦でその年優勝するスパーズと7戦まで縺れる死闘を繰り広げたことは、マブスとカーライルの評価が改めて上がった年になったのではないでしょうか。

 次の2014-15シーズン、昨プレーオフでのスパーズへの健闘から、チャンドラー×2やジャミーア・ネルソンなどの選手を獲得し、オフの積極的な補強に成功しました。開幕してすぐに2011年優勝の立役者であるバレアも取り戻し、開幕当初はウォリアーズと並んでリーグ屈指のオフェンス力を誇ってました。更に優勝を目指すための補強として、セルティックスからレイジョン・ロンドをトレードで獲得。しかしこれが後にカーライルとの衝突、そしてチームの勢いの失速につながったのは周知の事実です。これは後にドンチッチとの関係についてのところでも触れますが、カーライルはボールを長く持ってプレイメークするタイプのPGとは馬が合わない傾向にあるんじゃないかと思います。ロンドという偉大なポイントガードが加入したものの、複数のボールハンドラーが主体のカーライルのオフェンスとは合わずに、自慢のオフェンス力もトレード前に比べて段々と落ちていってしましました。

 そんな良くない印象のあるシーズンでしたが、プレーオフで孤軍奮闘したのもまたエリス。1-4でロケッツに惨敗したシリーズでしたが、そんな中でも平均26.0点5.2アシストとマブスを引っ張ったエリス。その後移籍したペイサーズでは活躍できず、NBAから姿を消してしまったこともあり、キャリアの中で一番勝ちに貢献した時期でもあったということからも、カーライル×モンテ・エリスのバスケをもっと見たかったなー、と思いますね。

 

 

 

2015-16 絶望からのサプライズ

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 プレーオフでの惨敗を踏まえて戦犯扱いされていたロンドの放出、そして未来のチームの柱としてデアンドレジョーダンを獲得しようとしました。しかしなんだかんだごたごたがあってデアンドレクリッパーズに残留、デアンドレが来る前提で獲得できるはずだったジェレミーリンはホーネッツに、デアンドレ獲得報道で失望したタイソンチャンドラーはサンズに移籍してしまいました。そして僕が一番悲しかったのが、過去2シーズンチームのエースとして引っ張ってくれた    モンテエリスがペイサーズに去って行ってしまったことです。個人的にマブスでトップ3に入るくらい好きな選手だったので、この移籍はほんとに落ち込みましたね。結果として誰も残らなかったロスターは過去3年間の中でも最弱であり、シーズン開幕前、マブスプレーオフ予想する人はほとんどいませんでした。しかしシーズンが始まってみると5割以上の勝率をキープし、大方の予想を裏切って第6シードでプレーオフに進出します。このシーズンはカーライル色全開なチームで、バレア、デロン・ウィリアムズ、デビン・ハリス、レイモンド・フェルトンらのスモールガードを二人、もしくは三人同時起用したり、パウエル、メジリ、パチュリアというなかなか癖のあるビッグマンを使い分けたりと、ほかのコーチだったらお手上げ状態になりそうなロスターを上手く使いこなしていました。改めて自分がカーライルのバスケが好きなんだな、と感じたシーズンでした。

 

 

2016-18  暗黒期

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 ハリソン・バーンズ時代とも呼べるこの時代。開幕直後から大きな連敗を喫し、そのままの流れで負け越しが続いたこの2シーズン。 しかしこんなどん底なシーズンでも、セス・カリー、ドリアン、ヨギ、クリバーなど誰も目を付けない選手に役割を与えて活躍させていました。これはどちらかというとGMの手腕に見えますが、エリス、デロン、バレア、セスなど、マブスで活躍するプレーヤーが攻撃的なガードに多いことは、カーライルが彼らのような選手を使いこなすのが抜群に上手いからと言っていいのではないでしょうか。

2018-21  ドンチッチ時代

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 2018年ドラフトでマブスはユーロの至宝でありNBAの未来であるルカ・ドンチッチを獲得。シーズン開幕からオールスターまではメインボールハンドラーではあるものの、まだデニス・スミスJrやバーンズらとボールシェアをしていたドンチッチ。しかしトレードデッドラインでの主力の大量放出により、それ以降のシーズンのマブスはスタメンはドンチッチ一人がハンドラーの超ドンチッチ中心のチームとなっていきます。今までカーライルの十八番だったダブルハンドラー体制が崩れたことで、この辺から「これは本当にカーライルがやりたいバスケじゃないんだろうなー」と思っていました。そういう意味ではバレア+ハリスや、JB+セスなど、むしろベンチユニットのほうがカーライル色が出ていて、スタメンとはオフェンスのリズムを変えるという点でもいい使い分けだったんじゃないかと思います。

 

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 個人的なカーライルの思い出を振り返ってきましたが、個人的にはプレーオフ敗退後、チームを向上するためにはカーライルかポルジンギス、どちらかを変える必要があると考えていました。正直ドンチッチ中心になってから、カーライルの本来の良さが出ていない感じもしたので、辞めるのは時間の問題だと思っていたのです。ですから本来ならばこの交代は寂しいけれどするべき決断と捉えるべきものでした。しかし最近の情報筋によって明かされたマブス内のゴタゴタ、前日のGMドニーネルソンの解任を考えると、カーライルの辞任はどうしても「前向きなお別れ」ではなく「沈みゆく船からの脱出」のように見えてきてしまいます。今はなかなかポジティブな気持ちになりにくい決別になってしまいましたが、数年後に「あの決断はマブスにとって正しかった」と言えるように願うばかりです。 

 

 最後に、カーライルのチームへの貢献は我々の目に見えない所にもあったようです。長年マブスの実況をつとめるマーク・フォローウィルは今朝こんなツイートをしました。

 このツイートによると、カーライルは他のチームではやらないような、マブスの放送関係者のためにシュートアラウンドを開いたり、アウェーではフォローウィルや実況解説のチャック・クーパースタインたちと共に食事をして、現役時代の思い出話を語ったりするなど、僕たちの見えない所で選手だけでなくマブスの関係者たちと良好な関係を気づいていたのがカーライルでした。我々ファンはコート上で起こることだけでしか、そのコーチの善し悪しを判断できませんが、このようなオフコートでの貢献などを考えると、コーチの評価というのは改めて難しいなと感じます。

 僕らマブスファンはツイッター上ではカーライルに対して文句は言うこともありましたし、イライラさせられることもありました。カーライルの退任はチームが更に上を目指すうえでポジティブな変化だと捉えるべきでしょう。しかしノビツキーの時代からドンチッチ時代まで、目まぐるしく変わる現代NBAの中で、13年間もの間コーチを続けられたのは、彼の対応力とキューバンとの信頼関係があったからに他ならず、最大限に評価されるべきだと思います。オンコート・オフコート共にどれだけマブスに貢献してきたかは計り知れません。戦術家で、頑固で、しかめ面で、娘とノリノリでダンスしちゃったりして、たまに笑うと見てるこっちが嬉しくなる、そんな愛すべきハゲ、リック・カーライル。

 

13年間本当にお疲れさまでした。次にマブスとやるときは手加減してね。

 

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行く手を阻む者 ~DALvsLAC Game3~

 

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  第3戦の1Q、マブスファンは熱狂していました。8-0のランから始まり、最大19点差をつける最高の立ち上がり。正直この試合、そしてこのシリーズの勝利を確信していた人もいたのではないでしょうか。気の早いマブスファンの人の中には、「正直ジャズさんだとポルジンギスカモられるからグリズリーズ勝ってくれないかなー」と早くもセカンドラウンドについて思いをはせる人もいたはず。かくいう僕もその一人です。しかし結果は10点差の敗北。序盤の展開から一転どうしてこうなったのか。2-1でリードしているもののこれからの展開に暗雲が漂うことになった第3戦をみていきましょう。

 ドンチッチにやられまくったズバッチを早々に下げ、早くもスモールラインナップにしたクリッパーズ。それに加えて更なる修正がありました。ドンチッチがひたすらミスマッチを狙い、それに対してホイホイとスイッチしていたクリッパーズでしたが、この試合では徹底してショーディフェンスを行い、スイッチを避けるようになってきました。いままでは楽なディフェンダーから得点を重ねていたドンチッチですが、そうはいかなくなったわけです。また困ったのはドンチッチだけでなく他も同じで、この試合スリーこそ4/6で決めていますがそれ以外のシュートは0/8。他の選手の突破力の低さが露呈してしまう結果になりました。

 スモールになって当然こちらに有利にはたらくのは身長差ですがご存じの通りこの試合ではそれを活かすべきKPが全く攻めきれませんでした。正直この傾向はレギュラーシーズンから続く課題であり、大きなビッグマンよりもフットワークのあるウィングに付かれる方が、KP的には苦手なんですよねー。まあそうは言ってもこの試合のKPは酷過ぎました。その悪い流れがさらにディフェンス面でも響いてしまったのが良くなかったですね。LAでの2戦で相手の弱点を徹底的につくことで勝利したマブス。そこで弱点を変えてきたクリッパーズに対してKPがそれを突けなかった。そんな試合でした。

 この試合の終盤はまるで第1,2戦の裏返しのような展開になりました。あまりに止められないカワイに対してしびれを切らしたマブスダブルチームを仕掛け、そこからのモリスの連続スリーでとどめを刺されてしまったマブス。このシリーズ不調だったモリスを目覚めさせてしまったのは、戦力面+メンタル面でもマブスにとって不利になっていくので本当に厄介ですね。

試合を重ねるごとに成長していくドンチッチ。もはやこれ以上はないんじゃないかと思えた前戦でしたが、第3戦はそれを上回ってきました。ですが同時に彼にかかる比重もそれと比例するかのように上がってきています。ここでこのシリーズが始まる前の予想を思い出してみましょう。「クリッパーズの方がタレントが豊富だからクリッパーズが有利」、そんな予想通りの展開についになってしまったような第3戦。カワイ・ポジョに一応負担が分散されているクリッパーズに対して、「ドンチッチだけ」になってしまったマブス。第3戦後には肩の痛みを訴えるなど、体への負担の大きさが表れてきているドンチッチ。まともに戦っていけば勝負が長引くごとにマブス不利になっていくように感じてしまいました。

 ドンチッチがいない時間をどうしのぐかがますます大事になってくる今後の試合ですが、注目点としては、このままゲームプランを変えないのか、それともオフェンスで上回ることを目指すのか、です。昨シーズンのプレーオフは選手不足から今プレーオフでは出番のないボバンやバークを長い時間起用していたマブス。これらの選手をドンチッチがいない時間帯のオフェンス力の補強として起用する案はあるかもしれません。今まで全く使わなかった選手をこの大舞台で起用できるか、ここからは「信じれるか」の勝負です。

 もうマブスにできることは「選手を信じ続けることができるか」に掛かっているよう思えます。「クリバー・ドリアンにずっとディフェンスを任し続けられるか」「KPはミスマッチを突いて攻めることができるか」、今日の試合を見る限りでは不安な要素が次の試合で本当にいい方向にむかうのでしょうか。まだこちらがリードしているのは変わらないのに、非常に不安な気持ちになってしまう試合でした。


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行く手を阻む者 ~DALvsLAC Game3~

 

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  第3戦の1Q、マブスファンは熱狂していました。8-0のランから始まり、最大19点差をつける最高の立ち上がり。正直この試合、そしてこのシリーズの勝利を確信していた人もいたのではないでしょうか。気の早いマブスファンの人の中には、「正直ジャズさんだとポルジンギスカモられるからグリズリーズ勝ってくれないかなー」と早くもセカンドラウンドについて思いをはせる人もいたはず。かくいう僕もその一人です。しかし結果は10点差の敗北。序盤の展開から一転どうしてこうなったのか。2-1でリードしているもののこれからの展開に暗雲が漂うことになった第3戦をみていきましょう。

 ドンチッチにやられまくったズバッチを早々に下げ、早くもスモールラインナップにしたクリッパーズ。それに加えて更なる修正がありました。ドンチッチがひたすらミスマッチを狙い、それに対してホイホイとスイッチしていたクリッパーズでしたが、この試合では徹底してショーディフェンスを行い、スイッチを避けるようになってきました。いままでは楽なディフェンダーから得点を重ねていたドンチッチですが、そうはいかなくなったわけです。また困ったのはドンチッチだけでなく他も同じで、この試合スリーこそ4/6で決めていますがそれ以外のシュートは0/8。他の選手の突破力の低さが露呈してしまう結果になりました。

 スモールになって当然こちらに有利にはたらくのは身長差ですがご存じの通りこの試合ではそれを活かすべきKPが全く攻めきれませんでした。正直この傾向はレギュラーシーズンから続く課題であり、大きなビッグマンよりもフットワークのあるウィングに付かれる方が、KP的には苦手なんですよねー。まあそうは言ってもこの試合のKPは酷過ぎました。その悪い流れがさらにディフェンス面でも響いてしまったのが良くなかったですね。LAでの2戦で相手の弱点を徹底的につくことで勝利したマブス。そこで弱点を変えてきたクリッパーズに対してKPがそれを突けなかった。そんな試合でした。

 この試合の終盤はまるで第1,2戦の裏返しのような展開になりました。あまりに止められないカワイに対してしびれを切らしたマブスダブルチームを仕掛け、そこからのモリスの連続スリーでとどめを刺されてしまったマブス。このシリーズ不調だったモリスを目覚めさせてしまったのは、戦力面+メンタル面でもマブスにとって不利になっていくので本当に厄介ですね。

試合を重ねるごとに成長していくドンチッチ。もはやこれ以上はないんじゃないかと思えた前戦でしたが、第3戦はそれを上回ってきました。ですが同時に彼にかかる比重もそれと比例するかのように上がってきています。ここでこのシリーズが始まる前の予想を思い出してみましょう。「クリッパーズの方がタレントが豊富だからクリッパーズが有利」、そんな予想通りの展開についになってしまったような第3戦。カワイ・ポジョに一応負担が分散されているクリッパーズに対して、「ドンチッチだけ」になってしまったマブス。第3戦後には肩の痛みを訴えるなど、体への負担の大きさが表れてきているドンチッチ。まともに戦っていけば勝負が長引くごとにマブス不利になっていくように感じてしまいました。

 ドンチッチがいない時間をどうしのぐかがますます大事になってくる今後の試合ですが、注目点としては、このままゲームプランを変えないのか、それともオフェンスで上回ることを目指すのか、です。昨シーズンのプレーオフは選手不足から今プレーオフでは出番のないボバンやバークを長い時間起用していたマブス。これらの選手をドンチッチがいない時間帯のオフェンス力の補強として起用する案はあるかもしれません。今まで全く使わなかった選手をこの大舞台で起用できるか、ここからは「信じれるか」の勝負です。

 もうマブスにできることは「選手を信じ続けることができるか」に掛かっているよう思えます。「クリバー・ドリアンにずっとディフェンスを任し続けられるか」「KPはミスマッチを突いて攻めることができるか」、今日の試合を見る限りでは不安な要素が次の試合で本当にいい方向にむかうのでしょうか。まだこちらがリードしているのは変わらないのに、非常に不安な気持ちになってしまう試合でした。


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Out of the blue  ~DALvsLAC Game2~

 

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   マブスが今日の試合でアウェーで2連勝となりました。はい、この結果を予想していた人挙手。はい、いませんね。まあ僕くらいの目の肥えたマブスファンなら当然この結果を予想していましたけどね。ほんとですよ、ええ。

 そんな冗談はさておき、まさかの好スタートを切ったマブス。前回の試合の感想としては、

・ディフェンスは上手くいってないけど外してくれている

・終盤の両チームのエースへのダブルチームの対応で差をつけた

こんな感じでした。では実際これらは第2戦でどうなったのでしょうか。

 さて、まずここまで2戦やってきて両チームの中で最も不調と言っていい選手がマーカス・モリスです。

モリスのプレーオフ2試合でのスタッツ:

6.5点 FG29.4% 3P18.2%

カワイ・ポジョに次ぐ三番目のスコアラーとして活躍していて、今シーズンの3P%は驚異の47.3%を記録していたモリスですが、この2試合では信じられないくらいの絶不調に陥っています。こちらとしては得点面でかなりラッキーなポイントですが、個人的にはそれに加えてドンチッチのメンタル面でも有利になっているんじゃないかと思います。昨プレーオフで散々やりあった二人ですが、モリスの不調は突っかかてくる余裕をなくし、結果としてドンチッチはキレずにやれてるんじゃないかとなんとなく思いますね。

 

 

第二戦両エースのスタッツ

カワイ:41点4アシスト FG14/21 3P4/7

ドンチッチ:39点7アシスト FG16/29 3P5/13

圧倒的な個の能力の前で、結局マブスはカワイを止められませんし、クリッパーズもドンチッチを止められませんでした。しかし結果としては止められなかったものの、二人の点の取り方を見るとだいぶ差があるように感じました。

 まずマブスの方から。前回の記事で書いたのですが、第1戦ではマブス側のスクリーンへの対応にかなりミスが見られました。カワイやポジョを守るドリアン、クリバーへのクリッパーズ側のスクリーンに対して簡単にスイッチしすぎていたマブス。ですがこの試合では、その反省もあってか「ドリアン・クリバーをカワイ・ポジョから引き剝がさせない」そして「トランジションなどでの偶発的なミスマッチができたらダブルチームにいく」、この二つの意識が徹底されていたので、第1戦とは見違えるようにディフェンスが良くなったように感じました。確かに121点も取られていますし、カワイには前半だけで30点も取られていますが、それでも「カワイにベストディフェンダーをつけてやられるならしょうがない」という精神で、自分たちのゲームプランを貫き通したことが、3Qで30-19と大きくアウトスコアしたことに繋がったのだと思います。

 3Qに入って流石にカワイがバテてきて、ボールをファンブルしたりスクリーンでドンチッチに対してアンダーしてしまうなどのミスをするのを見計らって、ずっと1、2点差くらいの接戦だったのを7点差くらいに広げたところがこの試合の転換点でした。流石のカワイでも前半オフェンスであれだけ託されてその上ディフェンスでもドンチッチを守らされる機会もあり、負担がかかり過ぎた結果が3Qでの失速だったのでしょう。しかしこれも「カワイにベストディフェンダーをつけてやられるのはしょうがない」というマブスの戦略の勝利であり、前回の記事で「ドンチッチがオフェンスで負担がでかすぎるから、ディフェンスで負担を減らさなければいけない」と書きましたが、それをカワイに置き換えたとするとクリッパーズはあまりにカワイに負担をかけ過ぎたように感じます。

 一方クリッパーズは、前回ドンチッチに狙われ続けたズバッチをこの試合はむしろ長く使いました。前の記事でも触れましたが、ズバッチは確かに過去の対マブス戦でいい成績を収めており、使わないのはもったいない。だったら第2戦ではズバッチを狙ってくるマブスに対するディフェンスを変えてくるんじゃないのか、そう予想していました。しかしそこは迷将ティロン・ルー。なんと第二戦も同じようにズバッチにスイッチさせ、同じようにドンチッチにボコられていました。この試合に関してはドンチッチだけでなく、THJ、JB、なんなら守備の選手であるクリバーまで、ズバッチが出てる時間帯はほぼ毎回ズバッチのところを狙っていました。その結果、この二試合でのズバッチのon court のDFFratingは146.3と壊滅的な数字に。たった二試合のスモールサンプルではありますが、明確に弱点を狙うことを徹底したマブスに対して何も工夫がなかったクリッパーズ。これはズバッチ本人の問題というよりコーチ陣の問題としか言えないでしょう。

 逆にマブスは自分たちのやりたいことを一貫させた。その結果、予想以上の活躍がついてきた感じがします。

第二戦のスリーポイント成功率:

マブス52.9%  クリッパーズ:39.4%

前回の試合で、「こんな決まり続ける訳ないだろー」と思われていたマブスのスリーは、しかしこの試合ではそれを上回る確率で決まっています。確かにマブスの選手たちはシーズン中を上回る確率で決めており、運が良かったから勝てたと言われても認めざるをえない部分ではあります。しかしその過程には「弱点を徹底的につくマブス」と「それを隠そうとしないクリッパーズ」があったので、一概に運だけの勝利とは言えないのではないでしょうか。

 そして勝負の決め手となったのは、またも最終盤での両チームの対応の差です。前回の試合で出場しなかったテレンスマンの活躍などもあり、4Q頭の二桁リードが5点差まで詰められた場面以降、クリッパーズは第1戦と同様にダブルチームを仕掛けてきました。そしてマブスはまるで第1戦の再放送をしているかのように、ポルジンギスのカッティングからのダンク、そしてドリアンの中継地点でもらってからのTHJのとどめのスリーと、次々とクリッパーズの策をかいくぐっていきました。なぜクリッパーズは第1戦と同じミスを繰り返すのか。そしてなぜそのダブルチームをズバッチのいる時にしないのか。戦力差ではクリッパーズ有利との大方の予想がありましたが、予想以上に対応力に差があった。そんな第2戦に感じました。

 クリッパーズ側の事情はこれくらいにして最後はマブスの選手たちの活躍をほんとに称えたいですね。「勝って兜の緒を締めよ」とはまさにこのことと言えるような、全員が冷静に迷いなくゲームプランを遂行しつつ、攻守ともにボールへの食いつきが素晴らしかった。フリースローが壊滅的に決まらなかったのは、まあ他が良すぎた反動ととらえましょう。むしろまだ改善の余地があるという、ポジティブな見方をしたいですね。

 ここで触れたいのはリッチの活躍。シーズン中は散々負けトレードだと言われ続け、かく言う僕も「来シーズンは再契約しないでほしいなー」と思っていました。しかしここ2試合は悪い時にやりがちなコネコネからのタフなミドルを封印し、ベンチ出場になりながらも攻守で自分の役割を全うする姿は、まさに昨シーズンクリッパーズに負けた後、マブスが欲していた理想の選手の姿そのものでした。

 そしてTHJ。バレアがいなくなり、ベテランというベテランいなくなったマブスにとってチームを鼓舞する「熱男」は、単なるチームの3番手以上の存在感をコート内外で見せつけています。サラリーダンプの目的でいわばおまけでついてきた選手がここまでチームの核となったのは感慨深いですね。

 そんな感じで、まさかまさかの急展開でアウェーで2連勝をもぎ取ったマブス。第三戦は最高の状態で1万5千人のファンが待っているホームに帰ってきます。ただ試合後の会見でポルジンギスが言っていたように「まだ2勝しただけ」です。もともとの戦力差があるうえに絶好調のスリーがいつ通常運転に戻るか分からないので、早めに蹴りを付けたいのが正直なところ。第3戦、今の勢いのまま押し切ってほしいですね。

 

…そういえばポルジンギス君、一人でストリップに行くなんてそんなに病んでるのかな?それともハーデンとかカワイとかの「ストリップ・レジェンド」たちの仲間入りしたいのかな?第2戦で復調してたから期待していいんだよね?頼みますよほんとに。

 

 最後に乃木坂の曲載せときます。ちなみに「Out of the blue」は日本語にすると「青天の霹靂」で、マブスがシリーズでリードしたら使いたいたやつです。ヲタクでほんとすいません。


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勝って兜の緒を締めよ ~DALvsLAC Game1~

  いよいよプレーオフが始まりましたね。昨シーズンのリベンジに燃えるマブスですが、初戦の内容はまーヒヤヒヤしましたね。そんな反省すべき点も多いゲーム1を振り返っていきましょう

 

3P成功率:マブス47.2%  クリッパーズ 27.5%

 言ってしまえばこれが勝因の全てです。全てですが「この数字になったから勝った」とは言えますが、「この数字通りに勝った」かと言えばそうではありません。クリッパーズの両エースには普通に活躍を許しており、その活躍もただ単に点を取られたというよりエースのドライブからキックアウト→周りの選手のボールムーブをいいように許しており、それが一番の問題です。要は「ラッキーだった」としか言いようがないクリッパーズのスリーの確率。勝ったマブスですが同じように戦っていてはあと3戦勝つのは厳しいでしょう。

 昨シーズンの反省を踏まえてハンドラーを減らし、ウィングディフェンダーを増やしたマブスですが、シーズン中は数字的に見ればディフェンスの改善が見られたとは言えません。それは今日の試合にも言えることで、ドリアンやクリバーをカワイ・ポジョ・モリスにつけているときはまだ守れているほうですが、それ以外の対応が後手後手に回っている印象でした。トップからウィングあたりでカワイに対して緩いスクリーンがかけられるシーンが多く見られましたが、その緩いスクリーンに対してTHJ,ドンチッチ、ブランソンらがすぐにスイッチしてしまい、簡単に点を取られまくっていました。かと思えばポールジョージのオフボールムーブからのドライブに対しては、クリバーがスクリーンに引っかかっているのに元のマークマンに拘ってスイッチせずにやられる、というシーンもありました。


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   個人的にクリッパーズはそこまで人が動き回るチームでないので、スイッチを多用する意味がないと思っているのですが、要はスイッチするかしないかの判断がチームとしてできていないような印象です。だったら「もうスイッチ絶対しません」ってチームで統一したほうがまだましな気もします。

 個々のディフェンスについて触れるとすると、今日のドンチッチのディフェンスはあまり褒められたものではありません。先ほど述べたスクリーンへの対応もそうですが、自分のマークするシューターに対する反応が遅かったり、反対にシュートに対してすぐに飛んでしまう場面も散見されました。あそこのシュートがもっと高確率で決められていれば苦しかったでしょう。

 ただ、ドンチッチのディフェンスに対して責めれない部分もあって、「ディフェンスを批判できるほどドンチッチのオフェンスでの負担を減らせているか」というと答えはノーです。カワイ・ポジョ・モリスとスタメンにハンドラーが並ぶクリッパーズに対して基本的にマブスのオフェンスでの起点はドンチッチ一人です。単純にクリッパーズのその3人の3倍の負担がオフェンスにおいてあると考えると、「ドンチッチをディフェンスでどう頑張らせるか」より、「ドンチッチをディフェンスでどう負担を減らすか・隠すか」を考えたほうが良さそうです。

 勝ったのに批判してばっかのマブスですが、終盤の接戦での攻防にはかなり希望が見えた部分がありました。最初はマンツーでカワイへのディフェンスをしていたマブスですが、3Q終盤~4Qにかけて徹底してカワイに対してダブルチームを送るようになりました。そしてそれはクリッパーズも同じで、4Qはドンチッチとカワイがダブルチームされた状況で周りがどう対応するかが勝負の分かれ目となりました。

4Qの得点:

カワイ:FG 1/4 FT 1/2

ドンチッチ:FG 0/4  FT 1/2

 そんな状況下でマブスは攻守ともに見事な対応を見せました。オフェンスではドンチッチのダブルチームに対してTHJやドリアンのショートロール、そこからドライブでの得点、ゴール下のKPへの合わせやドリアンのコーナースリーと素早い判断で得点を重ねました。一方クリッパーズダブルチームに対して周りの反応が若干遅くそこにマブスのディフェンスがついて行けた結果、残り6分97-98で1点ビハインドから113-103までもっていくことができました。散々今日のマブスのディフェンスを批判しましたが、この終盤の競った状況での対応力は素晴らしかったですし、こういった良い終わり方ができたことは次戦以降の一試合通したディフェンスの改善につながるのではないでしょうか。

 今日の試合のMVPはドリアンでしょう。2016年、ドラフト外で彼が入団した時、誰がプレーオフでここまでオフェンスで活躍できるプレーヤーになると思ったでしょうか。確かに今日はスリーは入り過ぎではありましたが、ここぞという時に決めたくれるスリー、カウンターからのドライブでのフィニッシュ、そしてそのドライブからのパスの判断と今シーズン成長した要素が全て見れてとても嬉しいです。単なる3&Dプレーヤー以上に進化していくドリアン・フィニー=スミス、お前は最高の男だ。

 最後にズバッチについて触れます。昨プレーオフでも苦しめられ、レギュラーシーズン3試合でも相変わらず高確率で決められまくり、インサイドの競り合いに難のあるマブスにとって悩みの種でした。

レギュラーシーズンの平均スタッツ:

13.0点 3.0オフェンスリバウンド FG81.0%

  もはやマブスの天敵ともいえるズバッチですが、この試合では序盤からドンチッチがピックアンドロールから狙いまくっていました。そのせいで後半では出場時間がグッと減り、スタメンなのに合計19分しか出ていません。ただその少ない分数の中でもFG4/5、OR2本と効果的に働いていたことは間違いありません。そんなズバッチがいないおかげかもしれませんが、接戦となった4Qで地味にキーとなったのがマブスのオフェンスリバウンドです。メッリ、パウエル、クリバー、THJに一本ずつと10本中4本を4Qだけで稼いだことで、よりポゼッション数が重要になる終盤の接戦においてアドバンテージを握ることができました。

 ここでもう一度思い出して頂きたいのが終盤でのドンチッチへのダブルチームです。このダブルチームの意図はもちろん「ドンチッチにボールを離させて自由にやらせない」ことですが、ズバッチをなんで後半あまり使わなかったかというと「ドンチッチに一対一で狙われるのを避けるため」です。しかしこの二つの考えそれぞれは理解できますが、それが両立するのはおかしくて、ドンチッチにダブルチームする前提なら別にズバッチを使いつづけてもいいわけです。そしてもしズバッチを使いつづけていれば、4Qだけでオフェンスリバウンド4本も献上しなかったでしょう。ここにティロン・ルーの大きな作戦負けがあったのではないでしょうか。効果的に働いていた選手を下げてまでドンチッチへのディフェンスを重視した結果、更に悪いディフェンスの仕方に変えてしまった、そんな印象です。まあこの辺は7戦シリーズの中で対応が変わってくることはありますし、実際昨シーズンのプレーオフでもクリッパーズは第5戦からディフェンスを変えてきました。ですから「ズバッチを終盤まで使うか」、「ズバッチがいるときのドンチッチへの守り方を変えてくるのか」、これらが今後の試合で重要になってきそうです。

 とりあえず、一人のマブスファンとしては初戦取れたことにホッとしています。昨シーズンは怪我人続出まだ言い訳の効く状況でしたが、今シーズンは完全体での挑戦になるので、もはや「2勝できて健闘した」で許される状況ではありません。そんな中での初戦勝利は選手的にも少し落ち着けたのではないでしょうか。プレーオフ初戦での勝利は2011WCFのサンダー戦以来らしく、気の早いマブスファン(主に僕)は優勝フラグぶんぶんに振り回しますが、「勝って兜の緒を締めよ」とはまさに今日の試合のことで、次の試合は反省を活かしてより改善したマブスが見たいですね。

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かっこよすぎワロタ

 

恋するフォーチュンクリス

 

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 サンズがプレーオフ進出決めましたね。僕がNBAを見始めたのが2012年からで、そこからどころかその2年前からサンズはプレーオフに進出していなかったので、「サンズ」と「プレーオフ」という言葉が結びつかなすぎて違和感しかないです。

 そんなサンズ大躍進の立役者になったのがクリスポールであることは生まれたてのヨチヨチ歩きする赤ちゃんの目にも明らかです。どんな状況のチームに行っても必ず勝てるチームに仕上げてくる「幸運のお守り」ことクリスポール先生は、2年前19勝しか挙げられず、ようやく勝てる希望が見えた2013-14、2019-2020シーズンではあと一歩でプレーオフ進出を逃すという、正に勝利の女神に見放されていたサンズでさえもプレーオフ進出どころか首位まで狙える位置にチームを押し上げました。もちろんディフェンスの向上など他の要因はあるかと思いますが、僕はサンズの試合を逐一追ってる訳ではないので、ここでは触れません。クリポとブッカーの関係にのみ焦点を当てていきます。

 

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強いチームを見極める先見の明がない人の例



サンズのクラッチタイムのネットレーティング(4/30時点)

2019-20:-4.3

2020-21:+5.2

 

今シーズンと昨シーズンのスタッツで大きく違いがあるのは、クラッチタイムのスタッツです。昨シーズンのサンズのクラッチタイムのネットレーティングは-4.3でリーグ21位と低い数字。ちなみに我らがマブスの昨シーズンのクラッチタイムのネットレーティングは-10.4でリーグ23位。散々な数字です。それが今シーズンになると+5.2でリーグ8位と9.5も向上しています。因みに我らがマブスの今シーズンの数字は-12.8でリーグ27位。全く成長の兆しが見られません酷いもんです。要はこれが一番言いたかったのですが、ブッカーとクリポがプレイメイカーとしての役割を補い合うことで、

クラッチタイムまで体力を温存できる

・起点が複数あることで相手に的を絞らせない

これらのメリットが生まれたことで、クラッチタイムの数字が改善したのではないかと思います。

 また、昨シーズンはPGがルビオであり、チーム全体でボールムーブを重視したオフェンスだったのが、今シーズンはハンドラー主体の2メンゲームが中心になったように感じます。このことは、よりサンズがマブスのオフェンスに似たようなスタイルになってきたともいえます。そこでマブスとサンズのクラッチのスタッツの比較がより際立ってくるのではないでしょうか。

 マブスはドンチッチがいる時間帯はほぼ一人でゲームメイクしています。もちろんブランソンの成長により、多少負担は軽減されたと言えますが、それでも終盤はドンチッチ以外が起点になることはほぼありません。ドンチッチが味方を信頼していない、ワガママすぎるという見方もできますが、それに見合う選手がいないというのも事実(ポルジンギスはフィニッシャータイプで、自ら起点になることは少ない)

 このような絶対的エースがいてその横に置く選手としてクリスポール以上の選手がいるでしょうか。これは勝手な予想ですが、どんなにチームにハンドラーの頭数がいようと結局ドンチッチが試合終盤に自分を差し置いてボールを預けれる選手は、

・自分より実力のある選手

・優勝経験があるorそれに近いプレーオフ経験を持つベテランのハンドラー

このどちらかだと思うんですよね。彼ほど自信満々なプレーヤーもなかなか少ないので、恐らくフォーニエとかテレンス・ロスとかの中堅どころの上手いハンドラーを取っても、結局最後は自分で打ちたがると思うんです(別にマジックに恨みがあるわけではありませんよ)。そういった意味でもクリスポールはマブスが次のステップに行くにあたって最適な選手だと思うんですよね。ずっと実力を認められながらもチームが勝てずに落ち込んでいたブッカーのように、同じく絶対的なエースであるドンチッチにとって、クラッチタイムで頼れる相方となるハンドラーを見つけることは最優先課題だと思います。

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あと一歩のところでブッカーに決められて6連敗を喫するマブスの図

 2021オフはマブスにとって勝負のオフです。ドンチッチのルーキー契約が最終年であることに加えて、昨シーズンに比べて大物FAが数多くいます。マブスは今オフ、ウィリコのチームオプションを破棄すれば31milほどのキャップスペースがあるため、大物FAを一人獲得することは可能ですし、もしかしたら現在マブスにいる選手の何人かとは再契約できるかもしれません。何人かピックアップしてみましょう

 

 クリスポール

これはさっきから言っている通りです。ただチーム成績も上で未来もあるサンズからわざわざマブスに移籍するメリットはゼロです。サンズが一回戦負けでもしない限りマブスには来ないでしょう。

  カワイ・レナード

アイソ能力の高さ、恐らくいなくなるであろうJ-richを補って余りあるほどのディフェンス力は、マブスにまさしく必要なもの。こちらも同じ理由で来ない気はしますが、クリッパーズに不満があるとかないとか噂が流れてたのでもしかしたら? てか連覇が狙える環境にいながらもトロントを去り、故郷でプレーできるクリッパーズからも出たいとしたら次どこ行くねんって感じですけどね。

 マイク・コンリー

こちらもクリポと同じような立場の選手であるので、来る確率は相当低いです。ただ仮に来た場合は、クリポに比べて市場価値が若干低いので、ティムハを残せる確率が高まります。あとはドンチッチがどれくらい信用して任せられるかですかねー。

 カイル・ラウリー

個人的に一番注目の選手。ファイナルで活躍した経験もあり、ディフェンスも良いガードで更にオフボールムーブからスリーを打ったりもするので、ドンチッチと合わせても、ドンチッチの代わりを任せても信頼できる選手だと思います。問題となってくるのがラプターズのチーム事情で、トレードデッドラインでトレードして再建に入るかと思ったらトレードせず、それなのに罰金をくらうほど主力を休ませてやっぱり再建なのかと思わせる謎の動き。また、ラウリー自身の優先事項も謎で、まだ優勝候補のチームでもっと活躍したいのか、それとも一度優勝を経験したトロントの地で英雄としてキャリアを終えたいのか、端から見るだけではどちらの道を選ぶか全くわかりません。一つラウリーに言っておくと深夜にファストフード食べ過ぎて太ってしまったこともあるほどの食いしん坊なラウリーにとってダラスは最適な町だと思いますよ。ほら、テキサスバーベキューとかあるしさ(適当)

 デマー・デローザン

 こちらは前述の選手たちとは立場が少し違います。というのもデローザンはまだ優勝経験がないうえに、コンリーやクリポのように優勝候補のチームに所属しているわけでもありません。ですので今オフに優勝候補のチームに移籍する確率は前述の選手たちに比べて高いと思います。ただ、デローザンはわりと今の若手中心のスパーズの中で雰囲気よくやっている印象もあるので、チームへの忠誠心を取れば残留もあり得ます。まあラプターズでチームに裏切られた経験もあるので、忠誠心なんてものを未だに信じているかは謎ですが。

 マブスへのフィットとしては、1on1能力の高くプレイメーカーとしても優れているので、ドンチッチの横に置く選手としてはいいと思います。ただスリーをほぼ打たないデローザンがスリーを多投するマブスに戦術的にフィットするかはかなり疑問ですし、彼に合わせて戦術を再構築する必要があるかもしれません。ですので、デローザンに投資することはチームにとって大きな方向決めとなるかもしれません。割りと自分の戦術を頑固に変えないカーライルがHCのチームなので、周りの選手云々よりカーライルと上手くやれるかがかぎになってきそうです。

 ゴラン・ドラギッチ

 ストーリー的には一番あるんじゃないかと思う選手。総合的な能力では他に後れを取りますが、前述した 優勝経験があるorそれに近いプレーオフ経験を持つベテランのハンドラー という条件だけ見れば、ドラギッチもまたこの条件に当てはまる選手でしょう。また、ドンチッチとはスロベニア代表で共にプレーした経験もあり、一から信頼関係を築く必要がないという点で、ドンチッチとポルジンギスの関係が疑問視されているマブスにとっては良いベテラン枠になるかと思います。ドラギッチもまた市場価値的には高騰するような選手ではないと思うので、ティムハを残せる可能性も高いのではないでしょうか。

 

 ここまでいろいろな選手を見てきましたが、ダラス・マーベリックスというチームは伝統的に大物FAが来ないチームとしてお馴染みです。2012~2014年にかけてデロン・ウィリアムスやドワイト・ハワードを狙いながらも叶わず、2015年にディアンドレ・ジョーダンを獲得したかと思えばクリッパーズのヤクザ集団に強奪され、近年まれに見る豊作FAだった2019オフにはハリソン・バーンズを鼻くそみたいなアセットで売り払ってまでキャップスペースを空けたのにきたのがボバン、セス、デロン・ライトだったりと、FAでいい思い出がほとんどないマブスなので、期待のし過ぎは禁物です。結局マブス「あなたのことは好きなのに、私にまるで興味ない」まさに「恋するフォーチュンクッキー」なチームなんです。それでも重要なのは今年のプレーオフで「未来」を見せれるかどうかです。2016オフにホーフォードは、ホークスからプレーオフ一回戦で破ったセルティックスに移籍しました。このように負けたとしても他のチームの選手に何か光るものを見せることができれば、マブスに来てもらうチャンスは高まると思います。ですから今年のプレーオフは、その年のみでなく今後数年に渡ってマブスが優勝争いに加われるチームになるかどうかを決めるものになってくると思います。マブスファンの諸君、今年のプレーオフはより刮目してみましょう。

 

とか言っときながらプレーイン・トーナメントで2連敗して、プレーオフにすら出れない可能性もまだまだあるんですけどね(笑)

スーパーディフェンシブチーム・マーベリックス ~開幕から10試合を終えての所感~

 

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  我らがマブスは開幕から10試合を消化しましたね。序盤のドンチッチ絶不調、ティムハ絶不調から始まり2勝4敗になった時はどうなることやらと思いましたが、ロケッツ戦のスタメン変更で流れが変わりました。そこから怒涛の4連勝で二人とも調子を取り戻し、今最も勢いのあるチームと言って良いでしょう(というか言わせてくれ)。そんなマブスですが「結局昨シーズンと比べて強くなったの?」という疑問はあるんじゃないでしょうか。今回はそれについてスタッツを見ながら考えていきたいと思います。なお、たった10試合なんでこれからスタッツが大きく上下する可能性はあるので、そこだけは注意してください。

 

 

ディフェンシブチーム・マブス

 チームの強さを図る基準としてはネット・レーティングがありますが、まずはそこから見ていきましょう。今シーズンのマブスはどうかというと、+4.7でリーグ5位。上にはバックス、レイカーズペイサーズ(!)、ネッツがいます。昨年の東西トップは今年もネット・レーティング通りの勝ちっぷりです。ペイサーズはヘッドコーチが変わってスリーの本数が多くなったり、何やら面白そうなのでいつかブログで取り上げたいです。マブスが6勝4敗でレーティング5位ということは、数字通りいけばまだまだ上がり目があると言っていいんではないでしょうか。

では昨シーズンはどうだったかというと…

+4.8でリーグ6位。なんと昨シーズンとほとんど変わっていません。ただこれを詳しく見るとマブスが今シーズンチームとしてのプレースタイルが大きく変わったことが分かります。

昨シーズン→今シーズン

OFFrtg115.9→109.3

DEFrtg111.2→104.6

オフェンス・レーティングが下がった分、ディフェンスは大きく改善しています。このディフェンス・レーティングはなんとなんとのリーグ2位!1位のレイカーズの104.4とほとんど変わりません。

マブスはディフェンスのチーム」

そういってもいいくらいにディフェンスが改善しました。実際に試合を見ていてディフェンス良くなったなー、足動くなーと思っていましたがまさかここまでとは!驚きです。せっかくなので今回はディフェンスに絞ってもっと深く見ていきましょう。

 

大量のウィング獲得の効果

今オフのマブスの補強には明確な目標がありました。それが「ウィング・ディフェンダーの確保」でした。セス⇔リチャードソンのトレードを筆頭にジョシュグリーン、JJ、イワンドゥと今オフ獲得した選手はほとんどが同じくらいの体格のウィング・ディフェンダーたちでした。昨プレーオフでポジョにセスやバークがついていたのが記憶に新しいですが、明確に足りなかったウィングの枚数をこれでもかと増やし、ディフェンスの穴を減らしに行きました。そしてその結果は早くも出始めています。

距離別相手のシュート確率

25ft~29ft →28.5%

20ft~24ft →32.3%

 

フィート換算で分かりにくくて申し訳ないですが、スリーポイントラインが約24フィートなので要はこの二つは相手のスリーポイントの確率といっていいです。この数字はなんとどちらもリーグ1位!昨シーズン「スリーを一番上手く使うチーム」だったのが今年は「スリーを一番止めるチーム」なのは非常に面白いですね。

選手個人のディフェンス力をはかる指標としてDIFF%(どれだけ相手のシュート確率を下げているか)があります。こちらの数字がマブスの選手は軒並み良いのですが、今回はスタメンの務めるこのコンビの数字を見てみましょう。

 

   リチャードソンのDIFF%      

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 ドリアンのDIFF%

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  この表の数字がマイナスであればそれだけ相手のシュート確率を下げているということです。ドリアンもいい数字ですが、リチャードソンの数字はそれをほとんど上回ってきます。まさにこの数字が、今オフマブスが求めていたものでしょう。試合通してエース格の選手につくことが多い中でこの数字は凄すぎです。この二人がチームのディフェンス・レーティングを支えていると言って間違いないでしょう。

 そして重要なのが、このような数字を残す選手が「複数いる」ということです。昨シーズンはカワイにしか付けられなかったディフェンダーですが、今年はポジョにも付けられます。プレーオフにおいて「穴を突かれない」ということの重要性を昨プレーオフでひしひしと感じたので、今年さらに上を目指すマブスとしてはまずは明るい材料ではないでしょうか。また、今シーズンは特殊なシーズンであり、コロナの影響で突然の欠場が多くなりそうです。実際マブスはもろにその影響を受けましたが、それでも負けなかったのは控えにJJ,イワンドゥ、グリーンがいたからでしょう。そういった「今シーズン」勝てるチームという意味でもうちのチーム、良い補強しましたね。

 

改善しつつあるインサイド

 ではマブスのディフェンスは完璧かというと、そうではありません。これから紹介するスタッツの数々は、マブスの試合を見ている人たちならなんとなく察するところがあるんじゃないかと思います。

距離別相手のシュート確率 ※括弧内の数字はリーグ内順位

15ft~19ft→45.7%(22)

10ft~14ft→41.0%(11)

5ft~9ft→48.2%(26)

5ft以内→64.7%(22)

このようにゴールとの距離が近くなるにつれ、どんどん順位が下がっていきます。本来ペイント内を守るべきビッグマンたちが、その役目ををきちんと果たせていないからです。

 パウエルのDIFF%        

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  ボバンのDIFF%

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6フィート以内のディフェンスはビッグマンとしては壊滅的で、この二人はペイント内ディフェンスにおいてはほとんど役に立っていないと言って良いでしょう。そしてスタメン変更から4連勝したことも頷けます。

 

 ウィリコのDIFF%

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近距離の相手の確率だけ見るとボバン・パウエルに比べて飛躍的に向上しているのが分かるでしょう。ここにポルジンギスが加わることを考えると、これからペイント内失点がどんどん減っていくことは期待できるでしょう。また、ポルジンギスの復帰は更なる相乗効果を生むかもしれません。スタメンを務めるリチャードソンはかなり激しいプレッシャーをかける選手で、しばしば追いかけ気味にディフェンスします。そこをカバーできるのが、ヘルプの鬼ことポルジンギスです。アウトサイドを守るのがちょっと苦手なポルジンギスにとっても、常にプレッシャーをかけてくれるリチャードソンがペイント内に追い込んでくれるのはありがたいでしょう。

 追いかけまわすリチャードソン+ヘルプの鬼ポルジンギス

全員揃ったときに楽しみなのは、実はこんなディフェンシブな側面だったりします。

 

最大の課題は未だ変わらず

現時点では今オフに想定していた通りになっていると言っていいでしょう。ただ、それで昨シーズンより勝てるかはまた別の話です。冒頭でも触れましたが、今年も昨年もマブスのネットレーティングは西で2位、3位でもおかしくないくらいです。ではなんで昨シーズンは西7位に甘んじたのか。もう理由はみんな知ってますよね

接戦に勝てるかどうか

結局はここに帰着するんですよね。チームの戦い方はよりプレーオフ向きにはなりましたが、シーズンで上がっていくには接戦を拾っていかなくてはなりません。今シーズンのマブスクラッチタイムの数字は流石にスモールサンプル過ぎるので、ここでは取り上げません。ただ、今シーズンクラッチタイム初勝利となったナゲッツ戦では、今後接戦を戦う上でいくつか明るい兆しが見えた気がします。

・ドンチッチ以外が得点する

・ドンチッチ自身の得点パターンの増加

・「守り勝てる」くらいのディフェンス力の向上

延長前のクリバーの逆転スリー、延長に入ってからのリチャードソンのドライブと試合を決めるスリーポイントとドンチッチ以外のところが目立ったのがナゲッツ戦でした。これはナゲッツのディフェンスの戦略的な問題(ボールマンに複数人でかなりプレッシャーをかける)はありますが、4Q残り2:55にクリバーが決めたスリーは完全に彼のためのセットプレーであり、ドンチッチ一辺倒だった昨シーズンのクラッチタイムにはあまりなかったプレーで、このようないわば変化球を絡ませられればいいなと思いました。

ドンチッチ自身も変わったような気がします。昨シーズン、ショットクロックがなくなってきた時のドンチッチのシュートはほとんどがステップバックスリーで、確率もひどいもんでした(ショットクロック残り0~4秒以内で打ったスリーの確率はなんと6.9%)。そんな反省を踏まえてか、今シーズンの彼はミドルレンジ付近のジャンパーを意図的に増やしている気がします。ナゲッツ戦に最後に決めたのもそれですし、得点パターンを増やすことは当然ながら相手に読まれにくくなることに繋がります。今シーズンもなんやかんやでボール持つのはドンチッチなので、彼自身のクラッチタイムのシュート確率を上げることはチームの勝率に直結します。

 延長に入った後に印象的だったのはナゲッツに楽にシュートを打たせないよう、ひたすら全員がチェイスしていたところです。ヨキッチへのクリバーのブロックもありましたし、リチャードソンはマレーをほとんどボールすら持たせないほど追いかけまわし、延長では無得点に抑えました。ヨキッチにはある程度活躍を許したものの、打たせたシュートはほとんどタフなミッドレンジ・ジャンパーやコンテストされながらのゴール下のシュートでした。「たとえこっちが決めれなくてもあっちも決めさせなければいいだけ」そんな我慢強い戦い方が続けられればいいですね。

 こうやって好意的な見方をしてきましたが、今シーズン接戦をものにできるかどうか、正直僕は不安です。セカンドハンドラーの不在は未だ解決していない問題であり、その役割もリチャードソンに求めていた僕としては、そういった意味では物足りないです。また、ディフェンスに関しても昨シーズンもクラッチ・ディフェンスに関しては悪くなかったので、「守り勝つ」戦い方を通すためには、相当レーティングを引き上げなくてはなりません。昨シーズンと同じ課題に直面し続ける可能性も全然あると思います。

 しかし大事なことはチームが「変わろうとして、その結果が出ている」ということです。「もっと上を目指したい」という気持ちがフロント・選手共に表れているのが見れて、僕はとても嬉しいです。なんやかんや一番昨シーズンと変わった点はベンチで常に盛り上げるJJやリチャードソンの存在かもしれません。まだまだシーズンも始まったばかりですし、コロナの影響で未だ全員揃わない日が続きますが、全員揃ったらどれだけ強いのか、そして今シーズンが終わった時に接戦でどれだけ勝てるようになっているか、それを想像するだけでも僕はワクワクします。