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ジョシュ・グリーンの来季のスタッツを予想しよう

The Rise of Josh Green Couldn't Come at Better Time for Dallas Mavs -  Sports Illustrated Dallas Mavericks News, Analysis and More    「サディック・ベイを取っていれば…」「デスモンド・ベインが取れたはずなのに…」2020年にドラフトされて以降、常に同期と比べられ「期待外れ」の烙印を押されてきた男は、昨シーズン大きな飛躍を遂げました。過去2シーズンで指摘された積極性の無さ、外のシュートの成功率の低さを、今シーズンは大きく改善させてくれました。

 彼がスリー&Dとしてチームに貢献できることは証明されました。しかし来季チームがさらに上昇するためには、若くて才能のある彼に今季以上に活躍してもらう必要があります。今のチームの抱える問題を解決するためには、シーズン中に時折見せた才能溢れるプレーを安定して発揮してもらうことが必要です。今回は、現状の彼の役割、能力を分析して来季彼に求めるものを明確にしていきたと思います。

 

2章:なぜ成長が必要なのか

 ズバリ、彼にはチーム3番手の選手としての地位を確立してほしいのです。今オフのほとんどの獲得した選手共通しているのは、ディフェンス面で期待されているということです。逆にディフェンス面での粗さが目立ったウッドは再契約されず、同じく粗さの目立つTHJもオフシーズン中に常にトレードの噂があるなど、明らかにチームの方針はディフェンスに寄ってきています。

 仮にウッド、THJどちらもいなくなった場合、昨季チームのルカ・カイリーに次ぐ得点源だった2人がいなくなった分を、ある程度既存の戦力で補完する存在が必要となってきます。その存在になりうるのが、今回の主役・グリーンなのです。

 昨季序盤は3P成功率で1位を独走し、守備では持ち前の献身性と運動量を活かして貢献し、3&Dとしての役割を確立しつつあるグリーンですが、好調なときに見せるプレーには、単なる3&Dには収まらないポテンシャルを感じさせられます。そのポテンシャルが真の実力としてあらわすことができれば、彼は3番手としての地位を確立することができるでしょう。

 

3章:現状分析…彼のスキルセットについて

 グリーンのオフェンス・ディフェンス両面での特徴を確かめていきます。ちょうどいいサイトがあったので、それを見てみましょう。

https://craftednba.com/players/josh-green

オフェンスでどのプレーを選択するかのグラフと、ディフェンスでどのポジションにマッチアップするかについてのグラフです。これを基にグリーンの特徴を考えると、

オフェンス:スポットアップシューター(たまにハンドラー)

ディフェンス:相手のガードに対するロックダウンディフェンダー

ざっくりこうなります。オフェンス時の役割はウィングなのに、ディフェンス時ではハンドラーにマッチアップするというのがちょっと特徴的ですね。また、好調時に魅せるパススキルは、現状スタッツ上ではそこまで見えてこないので、これがハッキリと数字に表れるようになることが来季の目標といえるでしょう。

 また、さらに細かくスタッツを見てみましょう。いくつかのスタッツには、彼の運動能力の高さが攻守に表れています

ディフェンス時の平均速度:4.32(リーグ2位

制限エリア内のFG%:71.7(ガード10位

※出場試合数30試合以上の選手が対象

速攻時に先頭を切って走る姿勢や、ドライブ時の力強いフィニッシュが近距離での成功率の高さを支えています。また、ディフェンス面ではリーグトップクラスに速く動いており、スピードのある相手にも負けないところが素晴らしいです。これらを踏まえてグリーンに身に着けてほしい能力を分析していきましょう。

 

1.サイズのある相手にもディフェンスできる

 グリーンの意外な弱点として、「いいディフェンダーではあるけどマルチポジション守れるわけではない」ということがあります。196㎝という身長は、ウィングの選手としては決して大きいとは言えません。ポジション別にディフェンススタッツを見てみると、その弊害が大きく表れていることが分かります。

グリーンのポジション別被FG%

ガード:43.8% フォワード:57.9%

ガード相手とフォワード相手とで14%近くも被成功率に差が出てしまっています。マブスというチームが2人のガードがエースのチームであることを考えると、グリーンにはポジション関係なく幅広い体格の相手にディフェンスすることを期待したいところです。

 しかし身長が低い=守れないとは必ずしも言えません。リーグの中には、身長がなくてもサイズのある相手に対抗できる選手もいます。そしてその貴重な選手の一人が、今オフマブスに加入したグラントウィリアムズです。

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198㎝ながら一番多く守っているのはセンターという異色のディフェンダーの加入は、チーム全体の守備という観点だけでなく、グリーンの成長という意味でも大きな意味があると思います。グラントのような体格を身に着けるのもそうですし、彼のクレバーな部分を盗むことで、グリーンのディフェンス面での成長が加速することが期待されます。

 

2.安定した中距離シュートを身に着ける

 昨シーズン好調の際は、持ち前のフィジカルを活かしたドライブとそこからのパスが光りました。しかしその一方で、その強みを分かっている相手に対しては、ドライブ後に相手にゴール下を固められて、フィニッシュまで持って行けない展開もよく見受けられました。

 

グリーンへのスカウティングが進み、このような守り方をされるようになると、彼の身体能力を最大限生かすことができなくなってしまいます。

これを解決するためには、

①混みあったゴール下でも決めきれる圧倒的なフィニッシュ力

②空いた中間地点からの確実なシュート力

このどちらかが必要になってきます。①に関しては、グリーンはフィニッシュパターンが豊富なわけでも身長があるわけでもないため、これ以上を期待するのは難しいです。②に関しては、調子の良いときにはタフな体勢からミドルレンジシュートを決めていたので、その辺のシュートセンスは備わっていると思います。


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(↑シュートセンスが爆発した試合)

よって、②を強化すべきだと考えます。こうすることで、

1.スリーを警戒してクローズアウトしてくる相手にカウンタードライブ→ゴール下を警戒して下がって守るヘルプに対してオープンな中距離シュートを成功

2.中距離を無視できない相手に高めの位置からのヘルプを強要→パスセンスが活きる

このように流れが生まれることが予想できます。グリーンに対してコート上での警戒すべき場所が増えることで、もともと持っていた強みをより強く発揮できるようになり、プレー全体の質が上がっていく、という好循環が生まれれば最高ですね。

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4章:具体的な目標スタッツ

 これらを踏まえて、実際に何本くらいシュートやアシストが増えてほしいのか考えていきましょう。具体的な数字を求めるにあたって参考となりそうな他チームの選手を何人かピックアップしてみました。

 

1.ノーマンパウエル

 ハンドラーにしてはプレーメイク力不足、ウィングにしてはサイズに乏しい、そして2巡目46位指名からスタートというハンデを持ちながらも、安定して平均17点前後を稼ぎ続けるパウエル。力強いドライブアンダーサイズながらも63.6%決めれるフィニッシュ力がありますが、ゴール下まで行き切れない場合もミドルを打てるのが強みです。強力なハンドラーがいる場合もオフボールからシュートまで持っていく選択肢があるので、マブスにいるグリーンも参考にできるところがあると思います。


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2.ブルースブラウン

 少しディフェンシブな選手で考えてみましょう。同じくウィングにしては少しサイズ不足ながらも、こちらはそのハンデがあってもなお、ディフェンス面で活躍しています。サイズがなくても相手のフォワードエースまできちんと守れるところは、グリーンも真似したいところです。

 また、スタッツを見て気づいたのは、使われる側がほとんどだという思い込みがあったブラウンが、思ったよりハンドラーとして活躍する割合が多いということです。

ハンドラーの役割がグリーンより多く、ディフェンスポジションはグリーンと近い

ブラウンのナゲッツ内での役割は、ヨキッチ、マレーというメインでボールを扱う選手がいる中での、あくまでオプションとしてのハンドラーです。ですので同じくボールを長く持つルカ、カイリーがいるグリーンにとって、「このくらいの頻度でハンドラー役をこなしてほしい」という指標として、ブラウンはかなり適しているのではないかと思います。

 

3.ドリアン・フィニースミス

 我らがディフェンスエースの役割をグリーンがそのまま受け継げると理想です。平均出場時間やスリーの試投数はドリアンと同じくらいになってくれることを期待したいので、それらの予想はマブス在籍時のドリアンのスタッツを参考にします。

 

この3人を参考にして、来季のグリーンの具体的なスタッツを予想していきましょう。 

 

中距離シュート(制限エリア外のペイント内~ミドルレンジ)の本数/確率

 昨季のパウエルは、このシュートを平均3.4本打っています。グリーンは昨季このエリアで50%近く決めているので、試投数増えて多少確率落ちることを加味すると、

0.7/1.3/50.7%→1.6/3.5/45.7%

(※成功数/試投数/成功率 昨季→来季)

とかになって欲しいですね。

 

アシスト数

 昨季のブラウンは平均3.4本。グリーンがスタメンで出場し、ナゲッツ時代のブラウンより出場時間が増えることを考えると、

1.7→3.6

と予想します。

スリーポイント試投数/確率

 2021-22シーズンのドリアンのスタッツを参考にすると、平均5.4本のスリーを打っています。これと同じ本数で、昨季のグリーンの確率を考慮すると、

1.1/2.8/40.2%→2.1/5.4/38.9%

とかですかね?本数は増えますが、その分確率は微減すると予想します。

相手フォワードの被FG%

 サイズでグリーンに劣るブラウンが47.9%記録していることを考えると、グリーンもそれに近い数字を期待してしまいます。理想と現時点での彼の実力を考慮して

57.9%→49.0%

と予想します。並み以上に止められるようになれば及第点でしょう。

その他のスタッツ

 出場時間の増加に伴ってゴール下のシュート数とリバウンド数、フリースローは微増と予想。フリースローの確率に関しては地味に弱点。現状72%とかなので、ドライブが強みの選手としては、細かい差ですが最低でも75%くらいは決めてほしいところですね。

 

これらの細かいスタッツを踏まえて平均得点とFG%を計算した結果が以下の表の通りです。

  成功数 試投数 成功率
ゴール下 2.1 3.0 70.0
中距離 1.6 3.5 45.7
3P 2.1 5.4 38.9
FT 1.5 2.0 75.0
総得点 15.2    
FG%     48.7

 

ということで、グリーンの来季の予想スタッツは

得点/リバウンド/アシスト:15.2/4.0/3.6 

FG%/3P%/FT%:48.7%/38.5%/75.0%

このようになりました!こんだけやってくれれば万々歳ですね。まあこれは参考にした各選手のいいとこ取りした、めちゃくちゃ都合のいいスタッツなので、現実味があるかと言われれば疑問かもしれません。ただグリーンにはそれだけ期待してるし、実際にこうやって細かい部分まで数字を示すことで、どの部分がどれくらい成長したか、我々ファンの視点からも評価できるようになると思います。なんてったってオフシーズンのいいところは、好き勝手期待し、おいしいシチュエーションばかり妄想できることですから(笑)。来シーズンのMIPをグリーンが満票で受賞するところまでバッチリイメージできたところで、この記事を終わりたいと思います。


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