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とあるマブスファンが優勝のために考察するブログ

勝って兜の緒を締めよ ~DALvsLAC Game1~

  いよいよプレーオフが始まりましたね。昨シーズンのリベンジに燃えるマブスですが、初戦の内容はまーヒヤヒヤしましたね。そんな反省すべき点も多いゲーム1を振り返っていきましょう

 

3P成功率:マブス47.2%  クリッパーズ 27.5%

 言ってしまえばこれが勝因の全てです。全てですが「この数字になったから勝った」とは言えますが、「この数字通りに勝った」かと言えばそうではありません。クリッパーズの両エースには普通に活躍を許しており、その活躍もただ単に点を取られたというよりエースのドライブからキックアウト→周りの選手のボールムーブをいいように許しており、それが一番の問題です。要は「ラッキーだった」としか言いようがないクリッパーズのスリーの確率。勝ったマブスですが同じように戦っていてはあと3戦勝つのは厳しいでしょう。

 昨シーズンの反省を踏まえてハンドラーを減らし、ウィングディフェンダーを増やしたマブスですが、シーズン中は数字的に見ればディフェンスの改善が見られたとは言えません。それは今日の試合にも言えることで、ドリアンやクリバーをカワイ・ポジョ・モリスにつけているときはまだ守れているほうですが、それ以外の対応が後手後手に回っている印象でした。トップからウィングあたりでカワイに対して緩いスクリーンがかけられるシーンが多く見られましたが、その緩いスクリーンに対してTHJ,ドンチッチ、ブランソンらがすぐにスイッチしてしまい、簡単に点を取られまくっていました。かと思えばポールジョージのオフボールムーブからのドライブに対しては、クリバーがスクリーンに引っかかっているのに元のマークマンに拘ってスイッチせずにやられる、というシーンもありました。


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   個人的にクリッパーズはそこまで人が動き回るチームでないので、スイッチを多用する意味がないと思っているのですが、要はスイッチするかしないかの判断がチームとしてできていないような印象です。だったら「もうスイッチ絶対しません」ってチームで統一したほうがまだましな気もします。

 個々のディフェンスについて触れるとすると、今日のドンチッチのディフェンスはあまり褒められたものではありません。先ほど述べたスクリーンへの対応もそうですが、自分のマークするシューターに対する反応が遅かったり、反対にシュートに対してすぐに飛んでしまう場面も散見されました。あそこのシュートがもっと高確率で決められていれば苦しかったでしょう。

 ただ、ドンチッチのディフェンスに対して責めれない部分もあって、「ディフェンスを批判できるほどドンチッチのオフェンスでの負担を減らせているか」というと答えはノーです。カワイ・ポジョ・モリスとスタメンにハンドラーが並ぶクリッパーズに対して基本的にマブスのオフェンスでの起点はドンチッチ一人です。単純にクリッパーズのその3人の3倍の負担がオフェンスにおいてあると考えると、「ドンチッチをディフェンスでどう頑張らせるか」より、「ドンチッチをディフェンスでどう負担を減らすか・隠すか」を考えたほうが良さそうです。

 勝ったのに批判してばっかのマブスですが、終盤の接戦での攻防にはかなり希望が見えた部分がありました。最初はマンツーでカワイへのディフェンスをしていたマブスですが、3Q終盤~4Qにかけて徹底してカワイに対してダブルチームを送るようになりました。そしてそれはクリッパーズも同じで、4Qはドンチッチとカワイがダブルチームされた状況で周りがどう対応するかが勝負の分かれ目となりました。

4Qの得点:

カワイ:FG 1/4 FT 1/2

ドンチッチ:FG 0/4  FT 1/2

 そんな状況下でマブスは攻守ともに見事な対応を見せました。オフェンスではドンチッチのダブルチームに対してTHJやドリアンのショートロール、そこからドライブでの得点、ゴール下のKPへの合わせやドリアンのコーナースリーと素早い判断で得点を重ねました。一方クリッパーズダブルチームに対して周りの反応が若干遅くそこにマブスのディフェンスがついて行けた結果、残り6分97-98で1点ビハインドから113-103までもっていくことができました。散々今日のマブスのディフェンスを批判しましたが、この終盤の競った状況での対応力は素晴らしかったですし、こういった良い終わり方ができたことは次戦以降の一試合通したディフェンスの改善につながるのではないでしょうか。

 今日の試合のMVPはドリアンでしょう。2016年、ドラフト外で彼が入団した時、誰がプレーオフでここまでオフェンスで活躍できるプレーヤーになると思ったでしょうか。確かに今日はスリーは入り過ぎではありましたが、ここぞという時に決めたくれるスリー、カウンターからのドライブでのフィニッシュ、そしてそのドライブからのパスの判断と今シーズン成長した要素が全て見れてとても嬉しいです。単なる3&Dプレーヤー以上に進化していくドリアン・フィニー=スミス、お前は最高の男だ。

 最後にズバッチについて触れます。昨プレーオフでも苦しめられ、レギュラーシーズン3試合でも相変わらず高確率で決められまくり、インサイドの競り合いに難のあるマブスにとって悩みの種でした。

レギュラーシーズンの平均スタッツ:

13.0点 3.0オフェンスリバウンド FG81.0%

  もはやマブスの天敵ともいえるズバッチですが、この試合では序盤からドンチッチがピックアンドロールから狙いまくっていました。そのせいで後半では出場時間がグッと減り、スタメンなのに合計19分しか出ていません。ただその少ない分数の中でもFG4/5、OR2本と効果的に働いていたことは間違いありません。そんなズバッチがいないおかげかもしれませんが、接戦となった4Qで地味にキーとなったのがマブスのオフェンスリバウンドです。メッリ、パウエル、クリバー、THJに一本ずつと10本中4本を4Qだけで稼いだことで、よりポゼッション数が重要になる終盤の接戦においてアドバンテージを握ることができました。

 ここでもう一度思い出して頂きたいのが終盤でのドンチッチへのダブルチームです。このダブルチームの意図はもちろん「ドンチッチにボールを離させて自由にやらせない」ことですが、ズバッチをなんで後半あまり使わなかったかというと「ドンチッチに一対一で狙われるのを避けるため」です。しかしこの二つの考えそれぞれは理解できますが、それが両立するのはおかしくて、ドンチッチにダブルチームする前提なら別にズバッチを使いつづけてもいいわけです。そしてもしズバッチを使いつづけていれば、4Qだけでオフェンスリバウンド4本も献上しなかったでしょう。ここにティロン・ルーの大きな作戦負けがあったのではないでしょうか。効果的に働いていた選手を下げてまでドンチッチへのディフェンスを重視した結果、更に悪いディフェンスの仕方に変えてしまった、そんな印象です。まあこの辺は7戦シリーズの中で対応が変わってくることはありますし、実際昨シーズンのプレーオフでもクリッパーズは第5戦からディフェンスを変えてきました。ですから「ズバッチを終盤まで使うか」、「ズバッチがいるときのドンチッチへの守り方を変えてくるのか」、これらが今後の試合で重要になってきそうです。

 とりあえず、一人のマブスファンとしては初戦取れたことにホッとしています。昨シーズンは怪我人続出まだ言い訳の効く状況でしたが、今シーズンは完全体での挑戦になるので、もはや「2勝できて健闘した」で許される状況ではありません。そんな中での初戦勝利は選手的にも少し落ち着けたのではないでしょうか。プレーオフ初戦での勝利は2011WCFのサンダー戦以来らしく、気の早いマブスファン(主に僕)は優勝フラグぶんぶんに振り回しますが、「勝って兜の緒を締めよ」とはまさに今日の試合のことで、次の試合は反省を活かしてより改善したマブスが見たいですね。

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かっこよすぎワロタ