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とあるマブスファンが優勝のために考察するブログ

ドンチッチ・ポルジンギス・パウエル問題 Part.1

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 開幕からリーグ1位のオフェンシブ・レーティングをたたき出している我らがダラス・マーベリックス。あまりマブスの試合を見ていない人からしたら、「ドンチッチとポルジンギスのデュオがすごいから、マブスはオフェンス力がある」と思いがちなのではないでしょうか。しかし、数字を見ていくとそんな簡単じゃないことが分かってきます。今回はタイトルにあるように、マブスのオフェンスをドンチッチ、ポルジンギス、そしてドワイト・パウエルを中心に、自分なりに考察してみました。

 

※この記事は、2/13のキングス戦、つまりオールスター前のスタッツを使っています。

 

2019-2020オフェンシブ・レーティング

マブス 116.5(1位)

この数字、なんとリーグ史上最も高い数字らしいです。1年前が108.7だったのをかんがえるとすごい成長ですね。ちなみに73勝した年のウォリアーズは歴代では17位と、意外と控えめ。あの時のカリーとウォリアーズの恐ろしさを見ている者からすると、印象と数字とのギャップにちょっとびっくりしましたね。

 じゃあ、昨シーズンと比べて何が変わったかというのを見ていくと、いちばん顕著なのが3P%です。

3P%:37.1(5位) 3PM:15.2(2位)

昨シーズンは34.0%で27位だったとこから考えるとこれまたすごい成長です。さらに確率だけではなく試投数の多さもトップクラスです。ここでスリーポイントでどれだけ効率良く得点できているか、というのを(3PM)×(3P%)で表せると仮定してみると、マブスはこの数字が563.92となり、これはリーグで1位です。2位がロケッツの539、3位がペリカンズの529.66なのをみると、ずば抜けているのがわかります。よってマブス

「リーグで一番3Pを使うのが上手いチーム」といえます。これがまずマブスオフェンスの大きなポイントです。

 では誰がスリーを高確率で決めるようになったか細かく見てみましょう

ティム・ハーダウェイJr:40.4%

マキシ・クリバー:37.8%

ドリアン・フィニー・スミス:37.1%

ここに今シーズンから加入したセス・カリー45.3%も加わり、一気に高確率で決めれるチームになりました。特に大きいのがティムハで、チーム2位のアテンプトを誇りながら40%近く決めていて、完全にエースシューターです。

ではエース2人はどのくらいの確率で決めているかというと、

ドンチッチ:32.3%

ポルジンギス:35%

そんなに高くないんですよね。ポルジンギスはここ10試合くらいで急に確率があがりましたが、それまでは33~34%を行き来してました。

 ですから、「ドンチッチとポルジンギスのデュオがすごいから、マブスはオフェンス力がある」というのはドンチッチとポルジンギスが効率よく決めることが原因とは言えないわけです。しかしだからといって、2人がオフェンスで貢献してないというわけではもちろんありません。ドンチッチがドリブルからのステップバック、ポルジンギスがディープスリーを打つことは、それを警戒して中にスペースが空くことを意味します。つまりマブスのオフェンスは、

遠めのスリーで相手に警戒させてインサイドのスペースを空ける→空いたスペースにドライブ→フィニッシュorキックアウトからワイドオープンスリー

このシンプルなオフェンスで構成されています。言葉にすると簡単ですが、要はドンチッチの良さを最大限に生かすオフェンスってことです。そしてその恩恵が出ている数字はがこれです。

・ドンチッチの制限エリア内のシュート確率:73.6%

この数字はヤニスやAD、カペラなどのトップクラスのインサイドフィニッシャーと引けを取りません。メインハンドラーがこの数字を残していることがすさまじいですね。

 そしてもう一人大きく恩恵を受けているのがパウエルです。世界一ロールするのが上手いパウエルはアキレス腱を断裂するまでは広いスペースを使ってアリウープを量産していました。

 このコンセプトは基本的にはスタメンでもベンチでも変わりませんが、スタメンではハンドラーがほぼドンチッチだけだったのがベンチではセス、ブランソン、デロン・ライト、ジャスティン・ジャクソンと増えます。ベンチメンバーの良さについてはまた別の記事で語りたいですが、まあマブスのオフェンスのコンセプト的にはそんな感じです。

 じゃあ別にオフェンスでは問題ないんじゃないかといわれる方も多いと思いますし、オフェンスよりディフェンスのほうが問題だよという人もいるかと思います。どっちも事実だと思います。ですが、僕はマブスの現状のオフェンスに対して、「それ、ポルジンギスじゃなくてもよくね?」という疑問を抱いていました。というのも、ポルジンギスが単なるストレッチ・ビッグとしてとしか使われていないと考えたからです。そこでスタッツを調べていたら、こんな数字が出てきました。

ドンチッチ、パウエル、ポルジンギスのいる時のオフェンシブレーティング:117.8

ドンチッチ、パウエル、クリバーのいる時のオフェンシブレーティング:125.4(リーグ2位)

記事が長くなったので今回はここまでにします。次の記事はポルジンギスとはどういう選手なのか考察しつつ、彼の起用法についての自分なりの考えを話していきたいと思います。