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とあるマブスファンが優勝のために考察するブログ

ヨキッチMVP予想について論理的に語ってみる

こんにちは。今回は2019-2020シーズンにおいて僕がMVPに推しているナゲッツの二コラ・ヨキッチについて、なぜ自分が推すかについて唐突に語りたくなったのでなるべく論理的に語っていきたいと思います。まあ別にヨキッチが特別好きとかいうわけではなく、「MVPに選ばれるのはどんな選手か」について言いたいことがあったのが、このテーマを選んだ理由なんですけどね。ESPNとかのアメリカの大手のスポーツサイトの予想とか見てると、「ほんとに真剣に考えた?」と疑いたくなるような予想が多く見受けられますしね。

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ESPNの今年のMVP予想、レイカーズの選手が二人いるのに何か感じますね。

 さて、まずMVPとはその年一番良い選手に与えられる賞です(あたりまえ)。そしてその「一番良い」とはどういう基準で決められてるかといえば、大体の年でリーグで一位になったチームのベストプレーヤーがそれになることが多いです。

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過去10年のMVP受賞者と所属チームのその年のリーグ全体での順位

過去10年の内、7年でリーグ最高勝率のチームからMVPが出ています。つまり、「MVPの予想=その年の最高勝率チームの予想」と、7割方言えるわけです。

 じゃあ、リーグで1位じゃなかった3人はなんで選ばれたんだっていう話ですが、一つ一つ見てみましょう。まず、一番最近で鮮明に記憶に残っているのはラスのMVP受賞ですかね。実は当時の僕はこの年のラスの受賞には納得がいってなくて、なぜなら「MVPはチーム成績が最低でもリーグトップ4以内のチームからでないと」と思っていたからで、ハーデンがとるべきだと思っていました。しかし「史上二人目の平均トリプルダブル」という「歴史的な記録」を残した、ということが評価され、接戦の末ラスがMVPを受賞しました。この年は正直かなりイレギュラーだったので、これを参考にしていいかは微妙ですが、「歴史的な記録を残せば、チームが弱くても受賞できる可能性がある」ということです。そして恐らくカリーを押している人はこの条件に当てはまる、と思っているのではないでしょうか。確かに今までクレイ、KDが居た分抑えていた実力を解放しまくるのは間違いないと思いますが、歴史的な記録が残せるかというと「?」です。カリーの特筆すべきスタッツは得点と3P成功率ですが、逆に言えばそれ以外は少ないです。僕はウォリアーズがプレーオフボーダーライン上のチームだと思っているので、カリーがMVP取るためには、平均トリプルダブル級の記録が必要だと思うのですが、果たしてカリーは見出しになるような記録が残せるでしょうか?

  次は2014のKDの例ですが、この年の1位は62勝のスパーズ、一方サンダーは58勝でした。じゃあなぜKDだったかというと、スパーズのベストプレーヤーとの数字を比較してみれば一目瞭然でしょう。

KD:PTS…32.0 REB…7.4  AST…5.5

TP:PTS…16.7    REB…2.3  AST…5.7

当時のスパーズのエース、トニー・パーカーと比べると得点が2倍近く、リバウンドも3倍以上、アシストもほぼ同じと、スタッツ面で圧倒。チームバスケで、役割分担がしっかりとされていたスパーズでは、特定の選手にスタッツが偏るということがありませんでした。つまりは、「チーム成績で劣っていても、ベストプレーヤーのスタッツが上回ればよい」と言えそうです。

 最後に2012のレブロンですが、レブロンのいたヒートを上回る成績を収めた3チームはどこかというと、スパーズ、ブルズ、サンダーです。このうち、ブルズはエースのローズが怪我で出場試合数が少なく、スパーズは先ほど言ったようにスタッツが一人の選手に偏らなかったため、MVP候補はKDとレブロンに絞られたはずです(はずですというのは、この時期はまだNBAをみていなかったからです笑)。ここでこの年の二人のスタッツを見てみましょう。

KD:PTS…28.0 REB…8.0  AST…3.5

LJ:PTS…27.1    REB…7.9  AST…6.2

二人に大きな差はありません。チーム成績もサンダー47勝、ヒート46勝(ロックアウトシーズンで試合数が少ない)と大きな違いはありません。レブロンが競り勝った要素としてはアシスト数だったのではないか、と思います。ここから分かることは、

「選手のスタッツは得点、アシスト、リバウンドが総合的に高くなくてはいけない」ということです。これは逆にいえば、それ以外のスタッツあまり見られない、ということです。代表的なのはローズとラスで、得点・アシスト・リバウンドだけ見れば立派ですが、シュート確率は高くなく、両者eFGが50%を大きく下回っています。まあ確かに、「ジョー・ハリスはeFG60%越えながらも平均25得点!!」っていうよりも、「ラスが平均25得点、10リバウンド、10アシスト!!」って言った方がわかりやすくすごいって分かりますもんね。(ジョー・ハリスは平均25点も取りません)(ジョー・ハリスをディスっているわけでもありません)(ジョー・ハリスの髭ってなんかいいよね)

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ザ・外国人って顔してるよね(マブスに来い)

 さて、こうしてMVPの条件について考えてきましたが、今年どこが強いか、というのがまずは大事ですね。個人的なトップ4チームはナゲッツクリッパーズ、バックス、ジャズです。おそらくレブロンやADを予想している人はレイカーズがここに入ってくると思っているのでしょうが、最初の2戦でのあのADの使い方を見る限り、自分はないとおもっています。予想について語ると長くなるのでここではやめますが(本当はここが一番大事なのですが)、もう一つ重要な要素としては、「飛びぬけて強いチームがない」ということがあります。ウォリアーズという大きな存在がなくなり、選手が大きく入れ替わった今、強さ(特に西)はかなり拮抗していると感じます。これは裏を返すと、「チーム成績より個人スタッツが優先されやすい」ということです。よってMVPレースは2012年の状況が最も近くなると感じています。

 さて、それをふまえて僕の予想するトップ4チームのベストプレーヤーを挙げてくと、ヨキッチ、カワイ(PG)、ヤニス、ミッチェルではないでしょうか。この4人を「選手のスタッツは得点、アシスト、リバウンドが総合的に高くなくてはいけない」

という観点でみると、ミッチェル、カワイ、PGは外れそうです。三人とも得点は取るし、非常によいディフェンダーですが、スタッツという面ではインパクトに欠けます。それに比べてヤニス、ヨキッチはオールラウンドなスタッツを残します。

ヤニス:PTS…27.7 REB…12.5  AST…5.9

ヨキッチ:PTS…20.8    REB…10.8  AST…7.3

これは昨シーズンのスタッツですが、二人ともオールラウンドながら若干ヤニスのほうが勝っているように見えます。

 しかしMVP選考におけるもう一つの要素として、「リピーターに厳しい」というのがあります。過去10年で2年連続受賞は、2009.2010のレブロン、2012.2013のレブロン、2015.2016のカリーがいます。このうち前期レブロンは、この時代他に同じようにオールラウンドなスタッツを残す人がいなかったのが理由だと思われます、二年連続1位だしね。後期レブロンとカリーについては、チーム成績の大幅向上が影響していて、後期レブロンのヒートはロックアウトがあって勝ち数では比べられませんが、リーグ4位からぶっちぎり66勝で1位に、ウォリアーズは67勝→73勝で歴代最高勝率更新と、大きくチーム成績を向上させています。じゃあ今シーズンのバックスはどうか、というと、ブログドン、ミロティッチを失い、トータルでみると戦力は落ちたように思います。よって昨シーズンの60勝から更に勝ちを上乗せするのは厳しいのではないか、と思います。

 そこでヨキッチです。ナゲッツは昨シーズンからほとんど選手を失わず、ジェレミ・グレンとを獲得し、MPJも帰ってきます。そした昨シーズンプレーオフを経験したことでまだ若い主力たちがより成長するのは容易に予想できます。ヨキッチはスーパースター街道を順調に歩き始めています。今シーズンMVPを受賞することで、次のステップへ進むのではないでしょうか。

 まあ、本当にナゲッツがこのまま順調にいくかは分からないし、今回触れませんでしたが、ロケッツの二人も上手くかみ合えばスーパースタッツ残しながらリーグ1位でMVPっていうのもなくはないっちゃないですよね。

 あ、あと忘れてましたが、MVPは2005年のナッシュ、昨シーズンのヤニスのように、大きく躍進して上位に行ったチームから出やすい、てのもあります。特に初受賞の時は次の時代をつくるスターとして扱われるので、取りやすいってのもありますよね。まだMVP取ってなくて、今年躍進が期待されてるチームのエースでかつオールラウンドなスタッツを残せる次世代のスター候補生っていったら・・・

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